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■ヴィシュヌ神
ヴィシュヌはシヴァと並ぶヒンドゥー教の最高神。
その時、この世は水に覆われていた。唯一者(ヴィシュヌ)は瞑想の至福に浸って、四千ユガの間眠っていた。彼の内部にある微細な原理が再び創造を開始しようと欲し、ヴィシュヌのへそから一本の蓮の花が咲き、その花からブラフマーが生まれた。このブラフマーが宇宙のすべてを創造するのである。
こうして宇宙が誕生したが、やがてこの宇宙にも終わりが来る。この時が来ると、ヴィシュヌが破壊神でもあるシヴァの姿となって、宇宙のすべてを焼き付くし、混沌の海の中に沈めてしまう。すべてが終わった後、宇宙を作ったブラフマーはヴィシュヌに飲み込まれしまう。こうして宇宙が始まる以前の状態に戻る。
やがて、ブラフマー神が誕生し宇宙の創造が始まり、創造と破壊の周期が繰り返される事になる。
右上手に持っているのがヴィシュヌの最も重要な武器でありシンボルとも言える円盤(チャクラ)。右下手に持っているのは装飾化された棍棒。左上手に持っているのは法螺貝。この法螺貝は元はパンチャジャナという海に棲む悪魔だったが、クリシュナに退治された。この法螺貝を吹き鳴らすと、神々は勇み立ち、悪魔は震えあがると言われる。左下手に持つのは蓮華。蓮の花は太陽を表し、再生と創造の象徴となり、そして、世界そのものとなった。 |
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■ヴィシュヌ神
ヴィシュヌ派の創世神話によると、宇宙が出来る前にヴィシュヌは竜王アナンタ(永遠という意味)の上に横になっており、ヴィシュヌのへそから蓮の花が伸びて創造神ブラフマーが生まれる。ヴィシュヌの横には妻のラクシュミーがいる。 |
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■ラクシュミー神
ヴィシュヌの妻。
富と幸運の女神とされている。
ヴィシュヌの最初妻は、ラクシュミー、サラスヴァティー、パールヴァティーの三女神だった。
サラスヴァティーをブラフマーに、パールヴァティーをシヴァに譲ったとする神話がある。
赤い蓮の上に立つラクシュミー。
仏教にも取り込まれ「吉祥天」と呼ばれ、福徳安楽を恵み仏法を護持する天女とされる。
また、弁才天(サラスヴァティー)と混同される場合がある。 |
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マハーバーラタ物語 |
■クリシュナ神
ビシュヌの一切相を見せるクリシュナ。
クリシュナはヴィシュヌの8番目の化身とされ、インド国民に最も親しまれ愛される神。
親族との戦争をためらうアルジュナ王子(インドラ神の子)に、輪廻・信仰・解脱などを教え、万物の根源としての自分の姿を見せるクリシュナ。
背後には、あらゆる神々が姿を見せている。
「この宇宙全体が私の姿で満ちている。万物は私に中にあるが、私は万物の中にはない・・・」と説く。 |
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■クリシュナ神
馬車に乗り戦場に向かうアルジュナ王子を、御者の姿をとって励ますクリシュナ。クリシュナはアルジッナ王子に、それまでの自分の因縁や歴史の総てを受け入れて、断固として戦わねばならないと説いた。 |
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ラーマーヤナ物語 |
■ラーマ王子とシータ妃
中央に座るラーマ王子とシータ妃を神々や聖仙、眷属が讃えている。
ラーマはヴィシュヌの7番目の化身。
最高の維持者であるヴィシュヌ神の完璧な化身であるラーマは、この地において邪悪な力を破壊するために誕生したと言われている。 |
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■ハヌマーン神
バンチャーカム(5面)ハヌマーン。
五つの顔を持つ姿で描かれるハヌマーンは、ラーマーヤナのアヒラーヴァナ(魔王ラーヴァナの兄弟)を倒す姿。
アヒラーヴァナは、ラーマとラクシュマナ(ラーマの弟)を捕らえ、別世界へと連れ去った。
アヒラーヴァナを倒す唯一の方法は異なる方向に灯る五つのランプを同時に消す事。
ハヌマーンは、パンチャームカ(五面)の顔を持つ姿をとり、ランプを消してラーマとラクシュマナを救い出した。
パンチャームカ・ハヌマーンの五つの顔は、ハヤグリーヴァ、ナラシンハ、ガルダ、ヴァラハ、そしてハヌマーン。 |
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