インドの絵葉書に描かれた神々 INDEX HOME



■ シヴァと眷属の神々


■シヴァ神

「シヴァ」は「吉祥」を意味し、ヴァーダ文献の中では暴風雨神ルドラの尊称として用いられている。

その事から、ルドラがシヴァの前身とされ、世界の創造・維持・破壊を司る最高神である。

シヴァの妻はパールヴァティーで、その間の子供がガネーシャであり、軍神スカンダはシヴァの精をアグニやガンガーに媒介させてもうけた子。

シヴァの乗物はナンディンと呼ばれる牛で、ナンディンも神として崇拝されている。

ヒマラヤのカイラーサ山がシヴァの住いで、ここで瞑想に励んでいるといわれる。

大宇宙と照応するシヴァの手のひらには、宇宙が描かれている。



■シヴァ神

シヴァ神は、髪の毛は長く頭の上に巻き、三日月の髪飾りをしている。

裸形に腰巻だけを纏った苦行者の姿をし、その前にリンガが置かれている。

横には、先が3つに分かれた「トリシューラ」と呼ばれる鉾とダムルーと呼ばれる両面太鼓が置かれている。

首には蛇を巻き、両目の間には第3の目が開いており、彼が怒る時には激しい炎が出て全てを焼き尽くすとされる。

額には白く横に3本の線が描かれ、腰巻は虎の皮で出来ている。

後ろに、カイラーサ山が描かれ聖牛ナンディンを従えている。



■シヴァ神

シヴァの皮膚の色は青黒い色であらわされ、息子の眷属の長であるガネーシャとの交流が描かれている。



■ドゥルガー神

シヴァの妻。

しばし、醜悪な形相を持つチャムンダーと同一視される。

ドゥルガーとは「近づき難い女神」を意味し、外見は優美で美しいが、シヴァの持つ暗黒面に対応する血と破壊と死の女神である。

アスラ(魔神)との戦いで苦戦した神々が一体となって怒りの光を放つと女神が誕生した。それがドゥルガーである。

神々は女神ドゥルガーに対して、数多くの武器を与えた。シヴァは三叉槍、クリシュナは円盤、ヴァルナは法螺貝、ヒマラヤの神ヒマヴァットはトラを乗り物として与えた。

こうして武器を得たドゥルガーは、神々の期待に応えアスラ王マャヒシを三叉槍で倒した。



■カーリー神

シヴァの妻。

ドゥルガー(パールバティーとの説もある)が、怒りによって顔を黒色に変じるとカーリーが現れたという。

カーリーとは「時間」と「黒色」という2つの意味の女性形。

全身黒色で、3つの目と4本の腕を持ち、チャクラを開き、牙をむき出しにした口からは長い舌を垂らし、髑髏ないし生首をつないだ首飾りをつけた姿で描かれる。

勝利に酔ったカーリーが踊り始めると、そのあまりの激しさに大地が粉々に砕けそうだったので、シヴァ神がその足元に横たわり、その衝撃を弱めなければならなかった。

その為、図のように夫のシヴァの体の上で踊る姿で描かれる。



■ガネーシャ神

象の顔を持ち太った腹を持つガネーシャは、仏教では「歓喜天」、「聖天」とされる。

ガネーシャが像の頭をしているのは、パールヴァティーが身体を洗って、その垢を集めて人形を作り、命を吹き込んで自分の子供を生んだ。

そして、パールヴァティーは、ガネーシャに浴室の見張りを頼んだ。そこに、夫のシヴァが帰宅したが、ガネーシャは父と知らず入室を拒んだ。

シヴァは激怒し戦いになり、ヴィシュヌの力を借りてガネーシャの首を切り落とした。

パールヴァティーは息子の死を悲しみ、シヴァは最初に出会った象の首を切り落とし、ガネーシャの頭として取り付けて生き返らせた。

そして、ガネーシャはシヴァの長男として眷属の長となった。



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