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■ 聖地クバールスピアンの神々


■クメール人の聖域クバールスピアン

ヒンドゥー教ではヒマラヤを聖山としている。カンボジアではクレーン山をヒマラヤに見立て、シェムリアップ川を聖なる川ガンジスに見立てた。そのような場所が、聖域クバールスピアン(Kbal Spean)だ。そこに彫られた神々を紹介しよう。

下記の写真のクバールスピアンへは、シェムリアップから北へ50キロ。車で1時間20分程かかり、さらに徒歩で40分ほどかかる。クバールスピアンとは「川の源流の橋」との意味があり、渓流沿いの岩肌には150メートルに渡りバブーオン様式のヒンドゥー教の神々やリンガの彫刻が残り、まさにクメール人の「聖域」である。ここは1968年、フランス人ジョン・ブルベェーにより発見された。




■ヴィシュヌ神

クバールスピアンの川の岩肌に彫られた、ヴィシュヌ派の宇宙創世神話のアナンタ竜の上に横たわるヴィシュヌ神。妻であり神妃であるラクシュミー(Laksmi)と臍から生えた蓮の花の上でブラフマー神が瞑想している。残念ながら2003年3月5日にラクシュミーの顔は盗掘され、同じくヴィシュヌ神の上半身も盗掘され修理(白っぽく見える)されている。




■ヴィシュヌ神

アナンタ竜の上に横たわるヴィシュヌ神。

妻であり神妃であるラクシュミーと臍から生えた蓮の花の上でブラフマー神が瞑想している。

像の下にはリンガが彫られている。



■ヴィシュヌ神

アナンタ竜の上に横たわるヴィシュヌ神。

妻であり神妃であるラクシュミーと臍から生えた蓮の花の上でブラフマー神が瞑想している。

残念ながらラクシュミーの顔は盗掘されている。



■シヴァ神

シヴァ神と妻のウマ(Uma、パールヴァティParvatiとも云う)が聖牛ナンディン(Nandin)に乗っている。

シヴァ神を拝む姿のバラモン僧が二人と猿の王ハヌマーンが彫られている。



■シヴァ神

シヴァ神と妻のウマが聖牛ナンディンに乗り、従者とともに結婚式に向う場面。

ナンディンのそばには従者二名が彫られている。



■ブラフマー神

4つの顔を持つブラフマー神。

蓮華座の上に結跏跌坐で坐っている。

よく見ると、この浮き彫りは彫りかけのように見える。



■ヨニとリンガ

ヨニの中に5点形式に配置されたリンガ。

このリンガの配列は、アンコールワットの祠堂の配列と同じで、ヒンドゥー教の宇宙観のメール山を具現化したものである。周囲を無数の小リンガが囲む。



■三体の群像

三体の群像はヴィシュヌ神のしもべと思われ、長い柄の傘の下にはヴィシュヌ神が坐っていた。

残念ながらヴィシュヌ神は盗掘されている。



■カエルの石像

伝説によると、カエルがバラモン僧が毒入りの水を飲もうとした際に身を挺して救ったという。



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