まぐさ石(リンテル・Lintel)について INDEX HOME



■ クメールのまぐさ石の年代別様式


クメールのまぐさ石の美術様式の年代別区分は、それぞれの時代を代表する
芸術的価値を有する寺院名をつけて、
前アンコール期過度期アンコール期 の13期区分に分けられる。


様式 年代 主な遺跡 主な特徴

前アンコール期
サンボールプレイ
クック様式
Sanbor Prei Kuk Style
610

650
サンボールプレイクック インドの建築装飾であるマカラを両端に配し、その口から吹き出されたアーチ上に1つか3つのメダルが配置され、下に花輪(蓮の花)が垂れ下がる。
しばしば、マカラの上に乗る人物が彫られる。


Sanbor Prei Kuk Style


プレイクメン様式
Prei Kmeng Style
635

700
プレイクメン サンボールプレイクック様式を継承するが、マカラの代わりに人物や動物が彫られる。
火炎文様のアーチは直線状に表わされ、両端は内側に丸くなる。アーチ上のメダルは3つか5つ。


Prei Kmeng Style


コンポンプリア様式
Kompong Preah Style
700

800
コンポンプリア
アクヨム
アーチの代わりに花綱が彫刻され、両端は大きく内に巻かれる。
全体的に葉状文様が多くなり、中央上下には葉状文様が流動的に装飾される。


Kompong Preah Style



過度期
クレン様式
Kulen Style
825

875
プノンクレン
プレイプラサート
以前の様式の復活。中央に神像を配し、その両脇より延びる花綱、そして花綱の上下で渦巻く火炎文様。
ジャワやチャンパの影響が見られ、両端のマカラは外側を向き、カーラやナーガも現れる。


Kulen Style



アンコール期
プリアコー様式
Preah Ko Style
877

886
プリアコー
バコン
ロレイ
(ロリュオス遺跡群)
最も想像力に富む精巧な彫刻。
花綱の中央にはカーラ、両脇には騎手などの人物、花綱の下には深堀の葉状文様が配される。両端のマカラは外側を向く。


Preah Ko Style


バケン様式
Bakheng Style
889

923
バケン
プノンバケン
プリアコー様式を受け継ぐが人物像は消え、中央のガルーダに乗るヴィシュヌ神が大分部分を占める。
ガルーダの両腕から伸びるナーガの下の葉状文様は渦を巻く。


Bakheng Style


コーケー様式
Koh Ker Style
921

944
プラサートトム
(コーケー遺跡群)
中央の神や人物像が主体となり、躍動的に彫刻された葉状文様の末端は渦巻き。
上部には行者や神々が並列に彫られる。


Koh Ker Style


プレループ様式
Pre Rup Style
944

968
プレループ
東メボン
コーケーからバンテアイスレイへの過渡期。
バケン、コーケー様式の模様。下部には蓮華が縁取られる。


Pre Rup Style


バンテアイスレイ
様式
Banteay Srei Style
967

1000
バンテアイスレイ 主題が中央に描かれ、複雑さが増し緊密で繊細な彫刻。
カーラは花綱をくわえ、その末端ははっきりと渦巻状になる。


Banteay Srei Style


10 クレアン様式
Khleang Style
968

1010
南・北クレアン
タケオ
ピミヤナカス
装飾は減少する。
中央のカーラは両端に花綱吹き出す。区分された4つの垂れ飾りの末端は渦巻状。
葉状文様は生き生きと描かれる。


Khleang Style


11 バプーオン様式
Baphuon Style
1050

1080
バプーオン
西メボン
クバールスピアン
中央のカーラの上にはヴィシュヌ神、クリシュナ神、シヴァ神などが彫刻され物語性豊かな装飾。
花綱の下で渦巻く葉状文様の彫りが深い。


Baphuon Style


12 アンコールワット
様式
Angkor Wat Style
1080

1175
アンコールワット
バンテアイサムレ
ベンメリア
中央の主題は縮小し、代わりに神々や人物が小さく画面のあちこちに描かれ、冠を被るナーガが現れる。
葉状文様が渦巻き、卓越している。


Angkor Wat Style


13 バイヨン様式
Bayon Style
1181

1243
バイヨン
タプローム
プリヤカーン
仏教に関連した主題が多くなる。
人物を乗せたカーラが中央下部に彫られる。
バイヨン様式中頃から花綱は無くなり、下部に彫られた葉状文様末端の渦巻きは互い違いに巻かれる。


Bayon Style



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