クメールの展示のある博物館 INDEX HOME



■ クメールの展示のあるラオスの博物館


チャムパサック歴史博物館 Champasak Provincial Historic Museum

この博物館は、3つの非常に古い直径1メートル以上のドンソン銅鼓とクメール遺跡の遺物で7世紀に遡るトモ遺跡(Oumung Monument)のまぐさ石が見どころ。

古いクメールの遺物の数々は、ここチャムパサックが、間違いなくクメール(真臘)の揺籃の地である事を示している。

それと、クメール以前(5世紀)のチャンパの遺物が面白い。


パクセ最大のマーケット、タラートダオフアン(Talat Dao Heuang)で買い物をしていた。

「地球の歩き方」でチャムパサック歴史博物館の開館時間を調べたら、11:30~13:30 の2時間もの間、昼休みで閉館と書いてある。

あわてて、トゥクトゥクを探して乗車する。


何だ!こんなに近いのか。

…トゥクトゥクは1分で、チャムパサック歴史博物館(上記写真の2階建ての建物)に到着。

料金は約束した1ドル。



まぐさ石。 サンボールプレイクック様式(7世紀) トモ遺跡(Oumung Monument)出土。

このまぐさ石の両端のマカラの口から伸びるベルト状紋様と中央の馬蹄型アーチの飾りは、まぐさ石で最も古い7世紀前半のサンボールプレイクック様式だ。



まぐさ石。アイラーヴァタに乗るインドラ神。

このまぐさ石の様式は何なのだろう?材質も彫りも、これだけ異なる。



この石板には、正面に象に乗るインドラ神、右側には馬に乗るクベーラ神、左は何の神なのだろう?が彫られている。



この石板には、左から、ハンサに乗るブラフマー、ナンディに乗るシヴァとウマー、ガルーダに乗るヴィシュヌの3神が彫られている。シヴァ神が中央の最高位にある、と云う事は、シヴァ派が作成したのだろう。



まぐさ石。 サンボールプレイクック様式(7世紀)



まぐさ石。 プレクメイン様式(7世紀)



まぐさ石。 プレクメイン様式(7世紀後半) Veun Kheane Village出土。



まぐさ石。 サンボールプレイクック様式(7世紀前半)。トモ遺跡(Oumung Monument)出土。


楽士。

この彫刻を見たとき、これはクメールではなくチャンパだな!と感じた。

チャム彫刻独特の開放的、官能的なエロティシズムと素朴で力強く軽やかで、デフォルメされた中にユーモアがある。


このおおらかな女性像も、楽士なのかな?


リンガ、7~9世紀。

Pakor Village 出土。


クメール遺跡の展示場。



この展示場の片隅に置かれた彫像群を見て、驚いた。これは飛鳥にある、「猿石」と呼ばれる「謎の石造物」ではないか!飛鳥にある「謎の石造物」について色々と調べたが、他に類似の物を見出せず「謎」は深まるばかりであった。

「猿石」については、後側にも奇怪な顔が彫られている場合が多い。このチャムパサックの石造にも後ろ側に彫られている。やはり、チャンパと飛鳥に関連はあったのだ。

興味のある方は↓


一番右側の像。

背面に彫られているのは3頭の象のようだ。

ということはインドラ神かな?



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