クメールの展示のある博物館 INDEX HOME



■ クメールの展示のあるベトナムの博物館


ベトナム歴史博物館 ーホーチミン市ー Museum of Vietnamese History

クメールに関連する展示は16の部屋うち下記の3部屋だ。
11、メコンデルタの古代石器
12、チャンパ芸術
15、カンボジアの石像彫刻

1世紀から6世紀にメコンデルタで繁栄した扶南 (Funan) の貿易港だったオケオの発掘は、フランスにより1942年に始まった。 最初の発掘はルイ・マルレ (Louis Malleret) が指揮し、対象の遺跡は450ヘクタールにおよんでいる。

オケオで発掘された遺物の多くは、このホーチミン市のベトナム歴史博物館に展示されている。


歴史博物館は動植物園の中にある。

建物は西洋と東洋の折衷、インドシナ様式の建築スタイルでフランス人建築家エブラール氏の代表作とのこと。


最初に、No12の「チャンパ芸術」の部屋に入ると、目の前に九神像が置かれている。



九神像。残念ながら神像の顔と乗り物の動物の顔は削り取られている。


ガネーシャ(Ganesa)像。

Ganesa はシヴァ神とウマーの子。

7~8世紀。


マカラ(Makara)像。


ガルーダ(Garuda)像。


ガルーダ(Garuda)とナーガ(Naga)像。

10世紀。


苦行僧(Brahman)像。


ラクシュミー(Laksmi)像。

12~13世紀。


ヴイシュヌ(Vishnu)像。

このように手を支えるアーチを使った彫像は大変古いもの物だ。

6~7世紀。


ヴイシュヌ(Vishnu)像。

6~7世紀。


シバ(Shiva)像。

15世紀。


リンガ(Linga)。

顔が彫られているムカリンガ。

オケオの扶南時代。

6~7世紀。


No11の「メコンデルタの古代石器」の部屋に入る。

オケオで発掘された扶南 (Funan) の遺物の多くはここに展示されている。


馬蹄型アーチの仏龕。

インドのグプタ朝の影響を受けているようだ。



まぐさ石(lintel)は、プレイクメイン様式で7世紀後半のものだ。

火炎文様のアーチは直線状に表わされ、両端は内側に丸くなる。そして、アーチ上のメダルは3つだ。


まぐさ石とコロネット。

手前のプレイクメイン様式のまぐさ石も立派なものだが、上段のまぐさ石が目についた。

もしかしたら、コンポンプリア様式か?



このまぐさ石は、コンポンプリア様式で9世紀のものだ。「ふうみん」はウボンの博物館以来のコンポンプリア様式なので、とてもうれしい。

アーチの代わりに花綱が彫刻され、両端は大きく内に巻かれる。全体的に葉状文様が多くなり、中央上下には葉状文様が流動的に装飾される。


木柱。

クメール遺跡で、木製品はとても珍しい。

オケオから発掘された。


真ん中の石碑には、扶南時代にヴィシュヌ神の式典や排水工事の事が彫られている。



No15の「カンボジアの石像彫刻」の部屋に置かれていたまぐさ石。バプーオン様式の11世紀後半のものか。

1177年、チャンパ軍はアンコール都城を占拠し4年間支配した。その時の戦利品だろう。その後、クメール最強の王ジャヤヴァルマン7世は1190年、チャンパを併合し属国とした。



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