クメールの展示のある博物館 INDEX HOME



■ クメールの展示のあるタイの博物館


ナコンパトム PhraPathom-Chedi National Museum

ナコンパトム(Nakhon Pathom)はタイ最古の町と言われ、パーリ語で「最初の町」を意味する。

プラパトムチェディ(Phra Pathom Chedi)は紀元前3世紀にインドのアショカ王が2人の僧を派遣し、ナコンパトムにインドシナ半島で最初に仏塔を建てたと言われている。

現在の仏塔は1853年にラマ4世の命令により建築が始まり、17年の年月をかけてラマ5世の時代に完成した。

このナコンパトムは7世紀から11世紀にかけて、タイ中央を支配したモン族の国家、ドヴァーラヴァティー王国の首都であった。その後、川の流域の変化による水不足により住民は移動を余儀なくされたと言う。


ナコンパトム市内に入ると、目の前に高さ127メートルの仏塔が見えてくる。

プラパトムチェディだ。少しいびつなのは、ご愛嬌だ。

写真の右側にプラパトムチェディ国立博物館がある。


プラパトムチェディ国立博物館。

ここには、ドヴァーラヴァティー王国時代の遺物がたくさん収蔵されている。


ナコンパトムは、11世紀初頭にクメール王朝のスルーヤヴァルマン1世(在位1011~50)に征服された。

スルーヤヴァルマン1世は仏塔を破壊し、クメール様式の塔を建立した。

…と言う事は、「ふうみん」の好きなクメールの遺物が、どこかに在るはずだ。

それを証明するように、国立博物館の外庭にはヨニが数個置かれていた。


手前は、クメール遺物のヨニ。

11~12世紀のLobpuri 様式だ。



後ろは、Dvaravati 様式のラテライトの仏塔の尖塔部。

7~11世紀のもの。


仏陀像

Dvaravati 様式



館内に入ると、この仏陀像が出迎えてくれる。


仏陀像

Dvaravati 様式


国立博物館の展示場には、ドヴァーラヴァティー王国の美しい漆喰の彫像が飾られていた。

この、ドヴァーラヴァティー王国は7世紀ごろから11世紀ごろまでに存在したといわれるモン族による王国だが、その歴史はほとんどわかっていない。


金細工

Dvaravati 様式


人物像

Dvaravati 様式


石に彫られた文様

Dvaravati 様式


この石灰岩の基台装飾は、一瞬、クメールのマカラかな?と思った。

しかし、これも8~9世紀にかけてのドヴァーラヴァティー様式だ。


シンハ(獅子)像

Dvaravati 様式

8~9世紀


「ふうみん」は一瞬、クメールの獅子像があった!と思ったが、ドヴァーラヴァティー様式だった。


残念ながら、博物館内で見たクメールの遺物はこのヨニだけだった。

しかし、素晴らしいドヴァーラヴァティー美術を鑑賞できて満足だった。



プラパトムチェディの基台にあった漆喰のレリーフ。18枚が展示されている。


その一枚

亀に乗る3人

Dvaravati 様式



法輪の支柱及び貴台部分の素晴らしい石板彫刻  Dvaravati 様式  7~8世紀



素晴らしい石板彫刻  Dvaravati 様式  8~9世紀


仏陀像。

Dvaravati 様式

7~11世紀



円空仏を思い起こさせる荒削りなノミの跡。


石板

Dvaravati 様式

7~11世紀


仏塔の尖塔部

Dvaravati 様式

7~11世紀



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